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経営に関する各種手続き

インボイス制度解説:受け取るインボイスの対応状況を確認するポイント

インボイス制度では、仕入税額控除を適用するために原則として取引先が発行したインボイスを保存する必要があります。

 

取引先との準備と協力が必要不可欠

インボイス制度に対応するに当たって、取引先に確認が出来ていますか?

インボイスの記載内容は受取側が修正をすることは認められません。

事前に取引先に対して確認を取っておきましょう。

 

(1)取引先の登録番号を確認する

取引先の登録番号を確認して、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で登録番号に誤りがないかを確認しておきます。

 

<登録番号のルール>

(T+13桁の数学(法人の場合は、T+法人番号〉)

 

適格請求書発行事業者公表サイト>>

 

ただし、登録申請から「適格請求書発行事業者公表サイト」に掲載されるまで数週間から数か月掛かります。

また、登録番号を一度確認した後も、取引が発生したタイミングで再度確認をしましょう。

なお、会計ソフトによっては入力時に取引先が適格請求書発行事業者かどうか、失効や取消がされていないかをチェックしてくれるものがありますので、非対応の会計ソフトを利用されている場合は入れ替えを検討しましょう。

 

(2)取引で発生する書類の様式を確認する

インボイスとは、「売り手が買い手に対して正確な定期用税率と消費税額を伝える」ための書類を指します。

書類の名称等にかかわらず、必要な記載事項が記載されている書類がインボイスに該当しますので、消費税の情報が記載されていれば納品書をインボイスとすることも可能です。

但し、取引先が保管しておくことが必要なので、書類の確認と併せて事前に取引先と相談しておきましょう。

参考資料:適格請求書等保存方式の概要

 

(3)経理処理への影響を考える

どの書類をインボイスにするのかを決める際に、自社の経理処理に影響を与えることがあります。

また、会計ソフトに入力する際に消費税の区分を分ける必要があります。

 

取引先が免税事業者等の場合は登録状況をよく確認しましょう

(1)取引先の登録状況を確認する

インボイス制度では、インボイスを発行できない免税事業者等からの仕入については、仕入税控除ができなくなります。

小規模・個人事業者である取引先との取引(仕入・外注・不動産賃貸・サービス提供など)については、適格請求書発行事業者への登録状況の確認が必要です。

 

(2)課税仕入に係る経過措置を考慮する

仕入税額控除ができなくなると、その分、自社の納税額が増えることになります。

但し、免税事業者等との取引について経過措置が設けられており、令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%を、

令和11年9月30日までは仕入税額相当額の50%を控除することができます。

 

(3)取引条件の見直しには注意

免税事業者等である取引先に対して、適格請求書発行事業者への登録を要請することや取引条件を見直すこと自体は、問題ありません。

但し、要請に応じない場合は取引価格の引き下げや取引中止を一方的に通告したり、仕入側の都合で著しく低い価格を設定するなどの処置を取ったりすると、独占禁止法や下請法等に抵触するおそれがあります。

公正取引委員会のホームページにQ&Aがあるので参考にしてみてください。

免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A>>

 

導入前に専門家のチェックをオススメします

制度の条件に沿った書類を自社だけでなく取引先のものも確認する必要があったり、社内の会計制度を確認や調整する必要があったりなど、導入に当たっての注意点がいくつかあります。

いずれかに不備があった場合、取引先に迷惑を掛けてしまう可能性もありますので、顧問先の会計事務所へのご相談をオススメします。

難しい場合は当社でもご相談を承りますので、お気軽にお問い合わせください。

当所では、貴社の経営に関する取り組みをサポートします。

当事務所は、経営革新等支援機関に認定されております。支援機関は経営改善計画の策定支援等を行っており、支援機関の業務を通じて、より一層中小企業の経営改善・事業再生に尽力してまいります。
また、「会計で会社を強くする」をモットーに、皆様に最新の情報と最適な業務を提供してまいります。

 

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