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新型コロナウイルスの影響が、引き続き業績に打撃を与えている企業が少なくないと思います。
少し持ち直してきた感はありますが、インバウンドの消費は以前と比較すると低調が続いています。
また、サプライチェーンの毀損によって、想定外の業務停滞に見舞われている企業も多い事でしょう。
根本的な対処には大きな時間が掛かるので、役員給与の減額で急場をしのぐ事を考える経営者の方も多いのではないでしょうか。
今回は役員報酬を減額する場合の注意点を解説します。
役員報酬を減額した場合の効果・影響
役員報酬を減額すると、減額した分だけの赤字幅が縮小するだけでなく、会社負担分の社会保険料の出費を抑えることができます。
役員個人としては、社会保険料の自己負担額や所得税が減少しますが、収入も減ってしまいます。
減額前に対象の役員とよく相談しておきましょう。
事業年度途中の改定は原則として認められない
役員報酬を変更したい場合、基本的には期首から3か月以内に行います。
特殊な理由があれば期中でも変更をすることが可能ですが、やむを得ない場合と認められない場合に損金として認められない場合があります。
役員報酬の減額が損金として認められない場合の例
例えば、9月決算法人が、毎月120万円の役員報酬を支給しているとします。
その法人が期中に役員報酬を90万円に減額すると、事業年度の最初から90万円だったものとみなされます。
この場合、90万円×12か月分は損金として認められますが、差額である30万円×6か月分は損金として認められません。
業績悪化を要因とした役員報酬の減額
今回のコロナ禍のように、想定外の事態が起きて経営状況が著しく悪化した場合、役員報酬を減額改定することが認められています。
この「業績悪化」の事由には、経営が危機的な状況な場合だけでなく、現時点で財務諸表の数値指標が悪化しているとまでは言えないものの、何らかの経営改善策を打たなければ、今後の経営環境悪化を避けることができない場合などが該当するとされています。
よって、一時的なキャッシュフロー都合や、予算未達が理由の場合は期中の役員報酬変更を認められないと判断されることがあります。
<役員報酬減額が認められる場合の例>
・訪日外国人の減少によって、売上が激減し、従業員の賞与なども減額せざるを得ない状況になった。
・政府・自治体からの要請で、イベント中止や学校の一斉休校などによって、売上が激減し、倒産の危機に瀕している。
・中国などからの部品調達の遅れで、通常の生産・販売活動に支障をきたし、売上が減少し、資金繰りが悪化している。
役員報酬の減額改定が認められるためには、減額に至った原因・状況を客観的かつ、具体的に説明する必要があります。
そのため、月次試算表や資金繰り表、従業員の賞与や役員給与の減額を検討した時の資料、金融機関との交渉時の事業計画などの資料を保存しておきましょう。
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