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固定費は売上が多いか少ないかにかかわらず、会社を維持するために必要な費用です。
適切に管理することができれば会社をスムーズに発展させることができるので、固定費の管理は「経営者の腕の見せどころ」です。
固定費を適正に管理する際のポイントをチェックしていきましょう。
固定費を適正にするための3つのポイント
固定費は、売上高から変動費を差し引いて、残った部分=限界利益でまかないます。
つまり、限界利益よりも固定費のほうが少なければ黒字、多ければ赤字になってしまいます。
言い換えると「限界利益の伸び率以上に固定費が増えていれば赤字に近づいている」ということになり、固定費を確認する際のポイントになります。
<固定費の例>
人件費、福利厚生費、地代家賃、修繕費、水道光熱費、旅費交通費、通信費、広告宣伝費、租税公課、支払利息、減価償却費など
最近では水道光熱費の値上がりや賃金アップなどにより、固定費が増加傾向にあります。
こうした状況の中で適切に固定費を管理していくことが、今後の会社の維持・成長に必要な社長の仕事といえるでしょう。
まずは次の3つの視点から、「支出は適切か」「大きな増減はないか」などをチェックしましょう。
「何を」「誰が」管理可能なのか
固定費には、自社の努力で管理可能なものと、短期的には管理が困難なものがあります。
例えば、水道光熱費は節水・節電の徹底で減らすことができるため、管理可能なものといえます。
一方、地代家賃は、契約で決められた金額を支払う必要があるので、短期的には管理不能なものとなります。
しかし、中長期で計画するなど、経営者の意思決定次第ではこれらの固定費も削減ができる場合があります。
また、管理可能な固定費の中には、経営者でないと管理できないものと、部門ごとや社員等でも管理できるものがあります。
固定費削減の目標や計画をつくる場合は、社内の誰が、どんな固定費について管理するのかを明確にしておくことが重要です。
固定費を点検する場合のポイント
・在宅勤務の導入で通勤交通費を実費精算に切り替え、定期代より安くできないか
・社内業務を外注にすることで利益の増加を図れないか
・外注業務を内製化することで費用を削減できないか
・不要資産の売却・処分で維持管理費や固定資産税を削減できないか
・残業代を減らす取り組みを行っているか
・過去の交際費は、現在の具体的な成果になっているか
・DMの申し込み率など、広告宣伝費や販売促進費の費用対効果を測定しているか
・電話・FAX・郵便からメール・チャットへ切り替えることで通信費を削減できないか
・節水機器や省エネ設備の導入、新電力への切り替え等で水道光熱費を抑制できないか
・新しい機器を購入する際、ほかの手段(現状の機器の修繕、中古品や低グレード製品の購入、業務委託等)と比較して検討しているか
・ITの活用や改善提案で、業務改善を継続的に検討しているか
・給与体系をより自社に合ったものにできないか
支払う費用が利益にどれだけ貢献できるのか=費用対効果
固定費は、売上そして利益を稼ぐための支出です。
状況を詳しく確認せずに削減をすると、逆に利益を減少させてしまう場合もあります。
固定費の改善について考える際は、「コストカット」ではなく、費用に見合う効果が得られているかという「費用対効果」の視点が重要です。
例えば、広告宣伝費は「費用対効果」がイメージしやすいのではないでしょうか。
DMや折り込み広告などを行った時にどれくらい売上が上がったのかをきちんと測定すると、今後も続けるべきかどうかがわかります。
固定費をコストと考えるのではなく、利益にどれくらい貢献しているのかという視点で固定費の効果を確認していくと、見直すべき優先順位が明確になります。
「稼働率」を上げられないか?
人員や設備を効果的に活用するために稼働率を高めるという視点を取り入れてみましょう。
例えば、機械の維持費は使わなくても費用が発生し、かつ、短期的に削減するのが難しい固定費です。
新規の仕事の受注などで機械の稼働率を高めることができれば、売上が上がり限界利益の増加に繋がっていきます。
生産性向上という観点からも、現状の自社の機械設備等を有効に活用できないかどうかを見直してみましょう。
固定費と変動費の区分を見直してみましょう
固定費の中には、変動費の要素が含まれている場合もあります。
例えば電気料金です。
もし普段は基本料金程度で、繁忙期に電気代が上がるというような状況の場合、従量制の料金については変動費に区分したほうが実態に合っているといえます。
「売上が増えるほどかかる」という観点から、固定費の中で変動費にできるものが含まれていないかを見直してみましょう。
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