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変動損益計算書で事業の見通しを立てる ~利益改善に効果的な計画の立て方~

前々回の記事では変動損益計算書と関連用語、前回の記事では損益分岐点を使った分析方法を解説しました。

「変動損益計算書と用語の解説」はこちら>>

「変動損益計算書を使った具体的な分析方法」はこちら>>

 

利益を上げる為には経費を削減するか、売上を伸ばすかのいずれかが必要になりますが、どちらも簡単なことではありません。

しかし、経費を固定費と変動費に分けて考えること、限界利益を把握できることで、細かな対策を立てることができるようになります。

 

今回の記事では、変動損益計算書の分析に基づいた、具体的な対策の立て方について解説します。

 

売上単価と変動費を見直す

どちらもお客様がいらっしゃることなので一律で考えていくのは難しいですね。

ただし、取引先を絞って考えてみると改善できるところがあるかもしれません。

 

例えば、ある商品の変動費の中で大きな割合を占める仕入先に対して、その仕入に限って価格交渉をしてみることはできないでしょうか?

また、売上高は多いものの値引率が高い得意先について、一部だけでも値引率の交渉はできないでしょうか?

もしかしたら、原材料を加工する場合の不良率を改善することができれば変動費の改善に繋がります。

 

前回の記事で解説した数式を用いながら、どこか改善できそうなところがないか探してみてください。

 

 

限界利益率の高い商品の売上を伸ばす

売上目標を立てる時は限界利益率の高い商品の販売数を上げる事ができないかを検討しましょう。

 

例えば次のような商品があるとします。

 

商品A                  売上500              限界利益率30%

商品B                  売上300              限界利益率40%

商品C                  売上200              限界利益率60%

 

それぞれ、売上が50伸びた場合の利益を計算すると次のようになります。

 

商品A                  限界利益率30%                利益15

商品B                  限界利益率40%                利益20

商品C                  限界利益率60%                利益30

 

よく売れている商品Aの販売数を更に伸ばせないかを考えることが多いですが、ここまでのお話でお分かりの通り、商品Cの売上を伸ばすことが利益改善に大きな影響を与えます。

 

どれかひとつの商品だけの販売数を伸ばすことは大変ですが、目標利益額を商品で分けて考えたり、商品毎に伸ばすことができそうな売上高から利益を計算してみたりと、目標を分散して立てる事が可能になります。

 

 

固定費を削減できるところがないか

一般的に固定費を削減したい時に考えるのは、家賃や光熱費の見直し、接待交際費の削減、人件費の削減などが上げられます。

ただし、昨今のコロナ危機でいずれも営業活動に必要最低限まで引き下げてある場合が多いと思います。

 

既に引き下げてあるかもしれませんが、役員報酬の見直しをする場合、損益分岐点を踏まえた分析をすることで、

「ここまで利益が上がれば役員報酬をいくらにできる」という指標を立てることができます。

 

 

いずれの対策も「とにかく頑張ろう」という目標とは違った視点で、現実的な指標を作る事が出来るようになります。

表計算ソフトなどを使って考えてみる事も可能ですが、当初にご相談いただけるとより細かな視点で分析することが可能です。

 

お困りの際はぜひご相談ください。

 

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