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上半期終了時点で行う業績比較のポイント

上半期が終了時点の実績確認は、期末に向けて下半期の活動を見直すための重要なポイントです。

今回の記事では上半期終了時点で、どの様なところに注意して実績の確認をすればよいか、要点をまとめました。

 

P/Lは前年同期、B/Sは期首と比較する

まずは損益計算書(P/L)の前年同期を比較して、売上高、利益額の増減とその要因を掘り下げてみます。

P/L上の利益は、貸借対照表(B/S)の資産、負債の増減として表れます。

期首のB/Sと比較することで、どの勘定科目が増滅しているかを確認して、要因が何かを検証します。

 

P/Lの勘定科目ごとに増減の内容をよく点検する

(1)売上を得意先別・商品別に分解して確認する

売上が前年同期と比較して減少している場合、得意先別や商品別担当者別に、その要因を調べます。

細かく調べることで、売上が低下している得意先の特定や、納期が遅れている商品の把握などが可能になります。

要因が把握できたら、下半期の対策を考えましょう。

 

(2)仕入と販管費の過剰な増加がないか

売上が横ばいなのに、粗利や営業利益が減少している場合は仕入高、販管費の内訳を確認します。

昨今の燃料費の高騰などであらゆるものが値上がりしています。

仕入に関しても同様で、取引1回分だと微々たる値上がりも、半期を通してみると利益を圧迫するようなことがあるかもしれません。

また、接待交際費や販促費なども値上がりの影響を受けている可能性があります。

科目ごとに前期と比較して、差額が大きなものは詳細を確認しましょう。

仕入高増加の場合、仕入単価の向上や、材料のロス増加などが要因の可能性として挙げられます。

販管費の増加の場合、接待交際費や販売促進費、広告費などの科目の中で増加している科目に注目して、その支出は本当に必要な支出なのかをよく考えて、削減の検討も視野に入れて対策を立てます。

 

(3)売上総利益を確認する

前期と比べて売上総利益率が低下している場合、仕入や販管費の増加に加えて、在庫数量の増加分が棚卸高に正しく計上されていない可能性があります。

正確な棚卸ができない場合でも、概算の数値を計上して、売上総利益率の変化を確認します。

在庫の数量が増えている場合、計画的に仕入れたものなのか、管理が適切でなかったことが要因の滞留在庫なのか、検証を行い、対策を立てます。

 

利益は、B/Sのどこに反映されているか

(1)現金預金は増加しているか?

利益の増加が反映されているのが、現金預金なのか、売掛金や在庫が増加したのかを確認します。

損失が出ている場合には、どのように資金調達が行われたのか、短期借入金や支払手形の増加を確認して、把握をしておきます。

 

(2)滞留売掛金に注意する

売上が伸びている時は、売掛金も増加していくことが多いです。

売掛金が多いということは現金回収が進んでいないことでもあります。

債権回収のサイクルを確認して、下半期の資金調達について検討しましょう。

回収の状況を確認して、請求書の発行遅れや発行漏れ、回収の遅れがある場合、得意先別、営業担当別に要因を明確にします。

滞留売掛金は放置すると不良債権になります。

不良債権化させないために、早めの対策を立てましょう。

 

(3)資金不足の要因と対応を考える

資金不足にはいくつかの傾向があります。

 

積極的な要因の例)

・積極的な設備投資

・売上拡大を見込んでの在庫の増加

 

積極的な要因による資金不足の場合、下半期に売上が上がることが想定できます。

そこまでの資金繰りとして、短期の借入れや支払手形の発行などによる運転資金の確保が必要になります。

 

消極的な要因の例)

・業績不振に伴う損失

 

消極的な要因の場合、損失が計上される要因を特定して対処する必要があります。

このような場合、慢性的な追加融資に頼るなど、さらに運転資金がひっ迫するような事態になってしまう可能性があります。

経営改善計画を立てて根本的に業務の見直しを行うとともに、場合によっては金融機関の協力要請を検討します。

 

決算に向けて下半期の計画を見直す

年度の半分が過ぎた時点で、それまでの業績を前期の状況と比較することで具体的な対策を立てることが可能になります。

業績が良い場合でも悪い場合でも、正確なチェックと明確な対策を立てることが最大のポイントです。

 

当所でもサポートが可能ですので、お困りの場合はご相談ください。

 

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